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夢を見ましょう

インクに浸したペン先で、そっと、静かに。

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ゾンビサバイバル #20

 食糧も大分少なくなったから補充しよう。そう決めてのろのろと探索に出た昼過ぎ。今日は妙に薄ら寒く、厭な日になりそうだと思ったのだが。
「厭な予感ほどっ、当たるってやつ、ね!」
 見事予感は的中。今日も楽しい追いかけっこの始まりだ。
 路地裏に転がったごみ箱を飛び越えたつもりが、足に引っ掛かってつんのめってしまう。そんなあたしの腕をあっさり引き上げ、平衡を取り戻させるバスター。しかし彼もまた、覇気の無い走りぶりだ。以前ならもっと身軽に動けた、と思う。こうなったのは身体が腐ったせいか、それとも疲労か。
(どっちもよ、どっちも)

 食糧庫の周りには人間が集まり易いと学んででもいたのか、はたまた何かの偶然か。中の食糧を確かめる暇も無く、あたし達に襲い掛かってきたのは大量のゾンビだった。餌の多い所には往々にして捕食者が集まるものだが、これは幾ら何でも多過ぎる。ずらりと幾重にも並んだゾンビの群れを前にしてあたし達二人はあっという間に逃げ出した。恐怖より先に苛立ちを覚えてしまう辺り、慣れとは怖いものだ。
「空が、飛べたら、良いのに!」
「それは・・・おれも、思う」
「そーら、を、じゆうに、とび、たい、なっ」
 何処で聞いたのだったか、確か日本のアニメで使われていた歌の一節を口ずさむ。バスターも聞いたことがあったらしく、一緒にハモってくれた。ゾンビから逃げながら歌をハモるなんて、こんな非日常歓迎し難くはあるけれど。

 商店街の中は意外に複雑な地形で迷い易い。けれども同時に、敵を撒き易いということでもある。看板を踏み倒して屋根に上がるは、店内を通り抜けて裏口から隣の通りに出るは、あたし達の逃走ぶりもちょっとしたものだろう。
 ――が。
「こいつらトランシーバーとか持ってないよねぇ?」
 行く先々、何処からとも無くゾンビが湧いて出るのだ。それこそ実は裏で徒党を組んでいるのかを疑いたくなる程、華麗に先回りをされる。
「若しくは本能的なテレパシーか」
「やだ、やめてよ・・・」
 そんなキングの携帯電話みたいな能力は要らない、とあたしは肩を落として屋根から下へ飛び降りた。張り出した天幕でバウンド、上手く玉石敷きの通りへ着地。10点ね、と自己採点する間にも続々とゾンビが集まってくる始末。少しくらい浸らせてくれても良いではないか。
「バスター早く!」
「分かった」
 同じく天幕を使い地面へ――こいつの場合は自重に負け、天幕を破り裂いて下のオレンジ箱に突っ込んだが、何とか着地を果たして駆け出した。
 今日はまだまだだ先が長い。


体力32→21/食糧36→34
アイテム:安全靴、治療薬/銀色の鍵(クリアフラグB)
※安全靴:【探索】時食糧減少を1点抑える(最低1)
※治療薬(ゾンビ化回復/使い捨て)
※ハーフゾンビ化(シェーラ):永久にゾンビ化しない、同行者を持てない

今日のシェーラ:【アクシデント】次々襲い来るゾンビに、逃げた先々で追われ続ける! 奴ら、共謀でもしているのかと思うほどだ。「現在HPの1割」点のHPを失う(端数切り捨て)。食糧:-2

今日のバスター:【アクシデント】食料庫発見、だが大量のゾンビがそばにいる! 今が12~23時なら抜け穴を発見し、食糧+5。それ以外ならゾンビに襲い掛かられ8のダメージ!
http://shindanmaker.com/23593

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